呼続というまちを歩きながら

サロンのある呼続のまちで、アトリエ・ブルートによる周遊展覧会が行われている。

その企画の一環として、作家さん達と一緒に展示会場を巡りながら旧東海道を中心に呼続のまちを歩くイベントに参加してきた。

1つ目の展示会場である、僕もよく買いに行くご近所の素敵な古民家パン屋さん「えすこパン」さんからスタートし、
呼続の地で長年アートショップ&ギャラリーを営まれている「K.Art Studio」さんを経由、
3つ目の展示会場で、いつもお世話になっている「街と珈琲」さんでゴールするというコース。
その道中を、地元のガイドの方が地元民ならではの視点やエピソードを交えながら案内してくれるという内容だった。

ふだん空き時間にサロンの周辺をふらふらと散歩することはあるけれど、一人のときはなかなか入りづらいディープな路地裏を通ったり、道や場所の解説を聞くことでより呼続のまちを知ることができてとても楽しい時間だった。

味のある路地裏

今回ガイドをしてくれた筒井さんは建築の仕事もされていて、「えすこパン」さんの内装にも携わったということで最初に建物の話もしてくださってそれも興味深かった。
作品も展示されている2階には今回初めて上がったのだけれど、なんとなく懐かしいような、とても落ち着く空間だった。2階でイートインもできるのかな?今度きいてみよう。

一番多くの作品が展示されていた「K.Art Studio」さんは名前は知っていたものの、なんとなく一人でふらっと入りづらそうなイメージを持っていたので今回行くことができて良かった。

秘密の隠れ家というかちょっとサブカル的な雰囲気もありつつものすごく居心地がよくて、セレクトされた作品も個人的に好みのものが並んでいてついつい長居したくなるような場所だったけれど、一人で居残るわけにはいかないので名残惜しさを抱えながら先へ進むことに。

お店を後にする際に「K.Art Studio」の代表の加藤さんが、店の外で呼続というまちの話をしてくださった。
もっと都会で店を出さないかという話をもらったこともあるそうだけれど、呼続でやるからこそ「K.Art Studio」なのだと。

呼続周辺はこれから駅や線路が高架になる計画があり、それに合わせてこの辺りの景観も少しずつ変わっていくことが予想される。
まだまだ先の話とはいえ、長くこの地にいる人にとっては思うところもいろいろあるのだろうなと感じた。

加藤さんは、「K.Art Studio」も呼続のプラットフォームのような存在でありたいと話されていた。
一度まちを離れた人や、久しぶりに呼続に立ち寄った人がふと戻って来られるようないつもの場所として。

僕自身は、正直なところ育った場所に対する強い思い入れや、いわゆる“地元愛”のような感覚があまりない。
それをネガティブに思っているわけでもないのだけれど、こうして一つの場所に根を張って続けている人の話を聞くと、少しだけ羨ましいような気持ちにもなる。

お店の辺りは高台になっていて、そこから呼続のまちを見下ろすような位置にある。
その場所に立つ加藤さんの姿が、なんとなく「呼続を見守っている人」のように見えたのが印象的だった。

そのままゴール地点の「街と珈琲」へ。
何度も来ている場所ではあるけれど、こうして皆で歩いてきてぞろぞろと入るのは不思議な感じがした。
ここでコーヒーを飲んだりおやつを食べたりしながらの歓談タイム。

このまち歩きのイベントに合わせて店内の一角で似顔絵を描いているブルートの作家さんもいらっしゃった。
奥野誠也さんという作家さんで、「K.Art Studio」に展示されていた作品がすごく好みだった人のお一人。

ご希望の方がいれば似顔絵を描けますと言っていただいたので、ぜひにと描いてもらった。

詳しくは書かないけど、すごい良かった。
サロンに飾るために今、額を探し中。

この日初めて通った道だけでなく、いつも通る道もふだん一人で歩くときとはちょっと違って見えて、この場所でやっていくのがもっと楽しくなりそうな気がした。