「なんでそこなんですか?」と聞かれて

腰の違和感で来られた方に、まず足元を触れることがあります。

そうすると、ときどき「え、なんでそこなんですか?」と聞かれることがあります。 

身体って、部分ごとにバラバラにあるようでいて、ひとつながりのもの。

どこかの動きが小さくなると、その分どこかに負担がかかります。

たとえば足首や足の指。

本来なら、そこで微妙な動きを引き受けたり、力の向きを逃したりするはずのところがうまく動かないと、そのぶん別の場所——たとえば腰——にしわ寄せがいくことがあります。 

だから、違和感を感じている場所そのものではなく、「どこに無理がかかっているのか」「どこが動いていないのか」を見ていくと、自然と触れる場所も変わってきます。

「なんでそこ?」と驚かれるのは、そんなふうに身体を見ているからかもしれません。

ただ、その驚きがきっかけで、身体の見方や感じ方に少し変化が生まれるなら、それもまた施術のひとつの役割なのかなと思っています。