身体には、本来の状態に戻ろうとする力がある

人の身体には、本来の状態に戻ろうとする力があります。
寝不足が続いてもぐっすり眠ればスッキリしたり、体調を崩してもしばらく休むと元気を取り戻すのは、その力が働いているからです。

ただ、不調が長く続くと、身体はその状態を「普通」だと思い込んでしまいます。
関節のねじれひとつにしても同じで、クセ付いたものを無理やり良い方向に動かそうとしてもすぐに元へ戻ってしまう。
そんなときは、あえてねじれている方向に動かすことで、「これは本来の形じゃない」と身体が気づき、自ら整おうとするのです。

実際の施術中でも、いわゆる巻き肩のように内側へねじれた腕を施術するとき、
「一旦ねじれている方向にひねりますね。そうすると無理なく開いていきますので」
とお伝えしながら調整すると、お客さまから
「いま勝手に開こうとしている感じがします」
と、ちょっとした驚きとともに言われることがあります。

身体は本来の状態に戻れる力を持っています。
整体はその“きっかけ”をつくるものであり、無理やり形を変えたり強く揉んだりするのではなく、身体が自分の力で変わっていくのをそっと後押しするものだと考えています。