
指先から手首へ ― こりの原因をたどる
人の手は、手首から先だけでも20個以上の骨があるのですが、その細かい関節が複雑に組み合わさって動きをつくっています。
こうした小さな関節のひとつひとつが硬くなると、その影響は手首・肘・肩・首にまで広がり、慢性的な肩や首のこりの原因になることも少なくありません。
日頃のパソコン作業やスマホの長時間使用など、手の使いすぎからくる肩こり・首こりに悩む方へ。
今回は実際の施術の流れを交えながら、「指先から手首を整える意味」について書いていきます。
実際の施術シーンも動画にしてありますので、よろしければあわせてご覧ください。
▶ 肩こり・首こりに|指先・手首から整える整体施術(YouTube・約7分)
指の関節をひとつずつ動かす
まずは指の関節から。
親指は2つ、人差し指から小指までは各3つずつ、合わせて14もの関節があります。
ここがなめらかに動くことで、腕から肩にかけて余計な力みが抜けやすくなります。
特に、日常ではほとんど使わない「反らせる動き」が硬くなっている方が多く、肩こりや手首の痛みにつながる原因になりやすい部分です。
中手骨と手根骨 ― 握る・支える力を整える
続いて、手の甲にある中手骨を1本ずつ調整していきます。
ここが柔らかく動くと、手のひら全体がなめらかになり、握る・支えるといった動作がスムーズになります。
さらに奥には、手根骨と呼ばれる小さな骨の集まりがあります。
ここは8個の骨で構成され、手首全体の柔軟性を担っています。
固まってしまうと、手首の動きが失われ、肘や肩の動きにまで負担が広がっていきます。

手首と前腕 ― デスクワークで溜まる疲労に
パソコンやスマホを長時間使っていると、手首に負担が蓄積しやすくなります。
ここを調整しておくことで、腕だけでなく肩や首のこりの軽減にもつながります。
また、前腕(手首から肘にかけて)の筋肉は、指を動かすために常に働いている場所。
キーボードやマウス、スマホ操作などで緊張しやすく、疲労が溜まると肘や肩の張り感につながりやすくなります。

肘のゆとりと全体のつながり
最後に肘の関節まで整えることで、腕全体の動きの連動がスムーズになり、肩周りの可動域も広がりやすいです。
まとめ
指先から手首や肘にかけて関節や筋肉を丁寧に整えることで、
- 指や手のひらがしなやかに動き、握る・支える動作が楽になる
- 手首の詰まりが解消され、指先までの循環がスムーズになる
- パソコンやスマホで溜まった疲れが和らぐ
- 肘や肩にかかる余計な力みや負担が減り、肩こりや首こりまで軽くなる
実際、上半身の不調に手がまったく関わっていないケースはほとんどありません。
いわゆるテニス肘や四十肩・五十肩なども、指先から整えていくことで良い変化が起こりやすくなります。
